一年前。

2005年11月28日 家族
事故にあった息子は、救急救命センターに運ばれた。
病院で私達は、「申し訳ない」と謝る加害者の方と、
どういう状況だったのだろうと話し合う学校の先生と、
処置の内容と選択を問われるドクターと、
そういう人たちに囲まれていた。

その夜集中治療室に泊まった私は、明日からすべきことや、
「こういうとき、他の親御さんはどうするんだろう?」などということを考えていた。
家に帰った夫は、ずっと泣いていたようだ。
(なぜ知っているかというと、つい先日、夫が書いていた日記様のものを偶然発見して、見てしまったからだ。)

そんな夫はどう思っていたかわからないが。
私は、電話や訪問してくる親戚の人たちの
「大変やったな。大丈夫か」
という言葉より、この場所で出会ったHNしか知らない方達の
「命があってよかった」
という言葉のほうが嬉しかった。
それぞれ色々そんな簡単に片付けられる事ばかりでは無いけれど、
どんな状況にあっても人が救われるのは、同情よりも前向きな言葉なのだと感じた。

一年経って。
息子はもとの生活に戻り、一年前の出来事が彼の中にどういうものを残したのかは別として、まるで何事もなかったかのように過ごしている。
加害者の方のことを、「僕に自動車をぶつけた人」と表情も変えず淡々と言う姿を見て、少なくともこの子の感覚は夫ではなく私と似たものを持っているのだと思った。

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